スバルのエンブレムには「六つの星」が描かれており、そのデザインには深い意味が込められています。
スバルのファンの方であれば、ロゴに込められた由来や歴史に興味を持っているのではないでしょうか?
スバルのエンブレムは、星座「プレアデス星団(昴)」をモチーフにしており、六つの星はかつての富士重工業を構成していた6つの企業を象徴しています。
なぜこの星座が選ばれたのか、各企業の役割とは何だったのか、エンブレムのデザインはどのように進化してきたのかなど詳しく解説していきます。
この記事ではこれらの意味を深く理解できるように、歴史や背景、デザインの変遷まで詳しく紹介します。
スバルのロゴに込められたストーリーを知ることで、よりスバルというブランドに対する理解が深まるはずです。
- モチーフのプレアデス星団(昴)とは
- 星がなぜ6つの企業を象徴しているのか
- 「スバル」という社名の由来と統合の歴史
- エンブレムのデザインが時代とともに進化してきた背景
スバルのエンブレムの意味と由来を解説

- スバルのエンブレムが持つ意味
- エンブレムのデザインの変遷
スバルのエンブレムが持つ意味
➀プレアデス星団(昴)
スバルのエンブレムは星座「プレアデス星団(和名:昴)」をモチーフにしています。
プレアデス星団は肉眼で六つの星がよく見えることから、日本でも古くから親しまれてきました。
➁六つの星の意味
六つの星は、かつての「富士重工業を構成した6つの会社」を象徴しています。
スバルの前身である「中島飛行機」が戦後に分割され、その後、六つの会社が再び統合して「富士重工業(現在の株式会社SUBARU)」が誕生しました。
その統合を表すのがエンブレムの六つの星です。
- 大きな星(1つ)… 富士重工業(親会社)
- 小さな星(5つ)… 富士重工業を構成する5つの企業(分社した会社)
➂「スバル」の由来
「スバル」という社名は日本語で「統べる(すべる)」=「一つにまとめる」という意味を持つ言葉に由来します。
また、プレアデス星団(昴=すばる)の名前をそのまま会社名にしたことで「6つの会社が再び統合し、一つの企業として輝く」という想いが込められています。
エンブレムのデザインの変遷
スバルのエンブレムは時代とともに進化しています。
初期のエンブレムは星が直線的に配置されていましたが、現在のデザインでは楕円の中に六つの星が配置され、より洗練されたスタイルになっています。
スバルのエンブレムは単なる自動車メーカーのロゴではなく、歴史や統合の象徴として深い意味を持っているのです。
スバルのエンブレムに描かれた6つの企業の詳細

- 6つの企業の詳細
- スバルの前身:中島飛行機
- 分割された6つの企業
- 再統合と「富士重工業」の誕生
- 現在のSUBARU
6つの企業の詳細
スバル(旧・富士重工業)のエンブレムに描かれた「六つの星」のうち、大きな星は親会社である富士重工業(現在のSUBARU)を、残りの五つの小さな星は富士重工業を構成した五つの企業を表しています。
これらの企業は元々中島飛行機(戦前の日本を代表する航空機メーカー)が戦後の財閥解体により分割されたものです。
スバルの前身:中島飛行機
スバルの前身である中島飛行機株式会社は1917年に創業された日本の航空機メーカーで、第二次世界大戦中には軍用機の開発・生産を行っていました。
しかし、戦後の1945年にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指示により、軍需産業の解体が進められ、中島飛行機も解散を余儀なくされました。
分割された6つの企業
中島飛行機の解体後、1946年に6つの企業に分割されました。それが、後に再統合されて富士重工業(現在のSUBARU)を形成する企業です。
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富士工業株式会社
- 中島飛行機の主要な生産部門を引き継ぎエンジンや航空機部品の製造を継続。
- 1953年に他の5社と合併し「富士重工業株式会社」へ。
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富士自動車工業株式会社
- 中島飛行機の自動車部門を引き継ぎ自動車やバスの生産を担当。
- その後のスバル自動車部門の礎となる。
-
大宮富士工業株式会社
- 主に航空機関連の部品製造を担当。
- 後に富士重工業の航空宇宙部門へ統合。
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宇都宮車両株式会社
- 鉄道車両や特殊車両の製造を行い戦後の復興需要に対応。
- 現在のSUBARUの航空宇宙・鉄道関連事業の源流。
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東京富士産業株式会社
- 主に産業機械や工業製品の開発・生産を行った。
- のちに富士重工業の産業機械部門の一部に統合。
-
東京富士工業株式会社
- 機械や工具などの製造・販売を担当。
- 富士重工業のエンジン部門や産業用機械の基盤となる。
再統合と「富士重工業」の誕生
1953年、上記の6つの企業が再統合されて「富士重工業株式会社」が誕生しました。
この統合が「スバル(SUBARU)」の始まりであり、その象徴として6つの星のエンブレムが採用されました。
現在のSUBARU
富士重工業は2017年に「株式会社SUBARU」へと社名変更し、スバルブランドの自動車メーカーとして世界的に認知されています。
また、航空宇宙産業にも関わり、現在も航空機やヘリコプターの開発・生産を続けています。
このように、スバルのエンブレムは「6つの企業が再び一つになり、新たな未来を築く」という歴史的背景を象徴する重要な意味を持っています。
まとめ:スバルのエンブレムの意味と由来
記事のポイントをまとめます。
- スバルのエンブレムは星座「プレアデス星団(昴)」がモチーフ
- 六つの星は富士重工業を構成した6つの企業を象徴している
- 大きな星は親会社「富士重工業」、小さな5つの星は分社した企業を表している
- 「スバル」という社名は「統べる(すべる)」=「一つにまとめる」という意味
- 1953年に分割された5つの企業が再統合し富士重工業(現在のSUBARU)が誕生
- 初期のエンブレムは直線的な配置だったが現在は楕円の中に六つの星が配置されている
- スバルのエンブレムは単なるロゴではなく歴史や企業統合の象徴
- 5つの構成企業は航空機、鉄道車両、自動車、産業機械の分野で活躍していた
- プレアデス星団は世界各国の神話や伝説にも登場し文化的な背景を持つ星団
- 現在のSUBARUは、この歴史を受け継ぎながらグローバルな自動車メーカーとして発展