“棚から取り出す、一本のゲーム”
今回紹介するのはスクウェア・エニックスから2007年9月13日に発売されたPSP用ソフト『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』。
1997年にPlayStationで発売された『FINAL FANTASY VII』から10年。その節目となる2007年に登場した本作はザックス・フェアを主人公として『FFVII』本編へとつながる過去を描いたアクションRPGです。
『FFVII』を知っているプレイヤーにとってザックスがどのような人物だったのか、クラウドへ何を託したのかを真正面から描いた物語は非常に重要な意味を持ちます。
一方でゲームとして見ると独特なD.M.W(デジタル・マインド・ウェーブ)や大量のミッションなど評価の分かれやすい部分もあります。
手元にある通常版のパッケージ、説明書、UMDも見ながら2007年当時の位置付けや人気、売上、難易度、そして現在遊んだ場合に気になる部分まで振り返ってみましょう。
本作が発売された2007年は『FINAL FANTASY VII』の発売からちょうど10周年にあたります。
当時は『FFVII』の世界を複数作品へ広げる「COMPILATION of FINAL FANTASY VII」が展開されており、本作もその一角を担うタイトルでした。
主人公はクラウドではなくソルジャー・クラス2ndのザックス・フェア。
物語は『FFVII』本編のおよそ7年前から始まり、ザックス、アンジール、ジェネシス、セフィロスらソルジャーを中心に進んでいきます。
そして物語が進むにつれ神羅兵時代のクラウドやエアリスも登場。『FFVII』を遊んだことがある人なら、その先に何が待っているのかを知った状態でザックスの人生を追うことになります。
「結末を知っているからこそ、先へ進むのがつらい」。
本作にはそんな前日譚ならではの魅力があります。
『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』はPSP作品としても大きな注目を集めました。
発売日には新型PSP(PSP-2000)をベースとした限定本体同梱版「FFVII 10th Anniversary Limited」も77,777台限定で登場しています。
国内販売は最終的に約83万本規模、世界累計では約210万本に達したとされ、PSPのRPGを語るうえでも無視できないヒット作となりました。
2007年当時のPSPは勢いを増していた時期です。本作発売のわずか1週間後となる9月20日には薄型・軽量化されたPSP-2000が国内発売されており『CRISIS CORE』は新型PSPへの移行期を象徴するタイトルのひとつでもありました。
『FFVII』においてザックスは物語の根幹に関わる重要人物でありながら、その生涯のすべてが詳しく描かれていたわけではありません。
『CRISIS CORE』ではそのザックス自身を操作します。
英雄セフィロスへの憧れ、アンジールとの師弟関係、エアリスとの出会い、クラウドとの友情。
プレイヤーはザックスとともにこれらを経験し、やがて『FFVII』へ直接つながる出来事へ到達します。
特にクラウドとの関係は本作の大きな見どころです。
パッケージ裏面にも
「男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。」
というコピーが大きく記されています。
ゲームを最後まで遊んだ後では、この一文の受け取り方もかなり変わってくるでしょう。
本作はコマンド式RPGだった『FFVII』とは異なり、リアルタイム性の強いアクションRPGとなっています。
ザックスを直接動かしながら通常攻撃、魔法、アビリティ、アイテムなどを使って戦う方式で、敵の背後を取ることでダメージが増えるなどアクションらしい要素も盛り込まれました。
PSPの携帯機向け作品ということもあり、操作そのものは比較的シンプルです。
本編を進めるだけなら極端に高難度という作品ではなく、アクションRPGに慣れていないプレイヤーでも比較的遊びやすいバランスになっています。
ところが、やり込み用の高難度ミッションまで進めると話は別。
敵の攻撃力や耐久力が大幅に上昇し、装備やマテリアの組み合わせをかなり考えなければならない場面も出てきます。本編とやり込みでは難易度の印象が大きく変わるゲームです。
本作を語るうえで外せないのが「D.M.W(デジタル・マインド・ウェーブ)」です。
戦闘画面上部でスロットのようなリールが回転し、絵柄や数字の組み合わせによってリミット技、レベルアップ、各種特殊効果などが発生します。
かなり変わったシステムですね。
見た目だけなら運任せのスロットにも思えますが、ザックスの記憶や感情とゲームシステムを結び付けている点が特徴です。
物語が終盤へ向かうにつれて、このシステムそのものが演出として意味を持ち始めるのも面白いところ。
一方、プレイヤー自身が完全に制御できない仕組みであるため、純粋なアクションRPGとして考えると好みが分かれます。戦闘を繰り返しているうちに演出を長く感じることもあり、テンポの面では欠点になり得ます。
本編とは別に大量のミッションが用意されているのも本作の特徴です。
短時間で終わるものが多く、携帯機で少しずつ遊ぶというPSPとの相性は良好。強力な装備やマテリアを集める楽しみもあります。
ただし、ミッション数の多さがそのまま内容の多彩さにつながっているわけではありません。
似た構造のマップや戦闘を何度も繰り返すため、すべて攻略しようとすると作業感が強くなります。
ストーリーだけを追うプレイヤーとミッションを徹底的に攻略するプレイヤーとでは本作への印象がかなり違ってくる部分でしょう。
表面を大きく飾るのはバスターソードを肩に担いだザックスです。
背景には神羅の巨大な施設がそびえ、全体を黒と緑を中心とした暗めの色調でまとめています。
『FINAL FANTASY VII』本編の白を基調としたパッケージとはかなり印象が異なります。
下部には「CRISIS CORE FINAL FANTASY VII」のタイトル。そしてCERO BとSQUARE ENIXの表記。
主人公がザックスであることを一目で伝える非常にストレートなパッケージデザインです。
裏面はさらに印象的です。
上部には先ほど触れた「男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。」というコピーが配置されています。
その下にはゲーム画面が3点掲載されており『FFVII』の7年前から始まるストーリー、D.M.W、マテリアを使った戦闘という本作の特徴を紹介しています。
発売前にこの裏面を見ればザックスとクラウドの関係がどのように描かれるのか気になった人も多かったはずです。
背表紙は黒を基調としたシンプルなデザイン。
白文字で「CRISIS CORE FINAL FANTASY VII」と記され、下部には緑色のCERO B表示と型番「ULJM 05254」が確認できます。
PSPソフトを棚に並べた状態では、この黒と緑の組み合わせがなかなか目立ちます。
説明書の表紙にもザックスが大きく描かれています。
ゲームパッケージと共通するビジュアルを使用しており、背景の神羅施設と合わせて縦長の説明書をうまく使った構図です。
中央付近にタイトル、最下部にはSQUARE ENIX。
パッケージから説明書まで作品全体のビジュアルイメージがきれいに統一されています。
説明書を裏返すとザックスではなく神羅施設が大きく見える構成になります。
表面と裏面を連続した一枚のビジュアルとして使っていることが分かりますね。
下部には問い合わせ先などの情報と型番「ULJM 05254/ULJM 05275」が記載されています。
単純に表と裏へ別々の絵を配置するのではなく、説明書全体でひとつの世界観を見せる作りになっているのが印象的です。
UMDは白を基調とした非常にすっきりしたデザインです。
中央の「UMD UNIVERSAL MEDIA DISC」を囲むように淡い線画でキャラクターが描かれ、下部に小さく作品タイトルとSQUARE ENIXの表記があります。
黒と緑を強く押し出したパッケージとは対照的。
UMDという小さなメディアの中でも情報を詰め込みすぎず『FINAL FANTASY』らしい余白を生かしたデザインになっています。
発売当時からストーリーや映像、音楽、PSPとして高水準だったグラフィックなどが評価され、販売面でも大きな成功を収めました。現在でも『FFVII』関連作品の中でザックスの物語を描いた重要作として位置付けられています。
特に終盤からエンディングにかけての演出は本作の大きな強みです。
ただし、欠点がないわけではありません。
D.M.Wのランダム性、ミッションの繰り返し、戦闘やマップ構造の単調さなど現在遊ぶとPSP時代のゲーム設計を強く感じる部分があります。やり込みを始めると同じような戦闘を繰り返す時間も長くなります。
そして本作は単独作品として遊ぶより『FINAL FANTASY VII』を知っているかどうかで評価が大きく変わるゲームでもあります。
『FFVII』で語られた出来事を補完する前日譚として見ると、その存在感はかなり大きい。
クラウドがなぜバスターソードを持っているのか。
ザックスという人物がクラウドに何を残したのか。
そして『FINAL FANTASY VII』の物語が始まる直前までに何があったのか。
それらを一本の物語としてつなげたことこそ『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』最大の価値でしょう。
ゲームシステムには2007年の携帯機作品らしい粗さが残っています。それでも、エンディングを迎えたあとに『FINAL FANTASY VII』をもう一度始めると、オープニングから見える景色が以前とは少し違ってくる。
『CRISIS CORE』は、そんな形で本編の意味まで変えてしまう前日譚です。
“棚から取り出す、一本のゲーム”
今回紹介するのはスクウェア・エニックスから2007年9月13日に発売されたPSP用ソフト『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』。
1997年にPlayStationで発売された『FINAL FANTASY VII』から10年。その節目となる2007年に登場した本作はザックス・フェアを主人公として『FFVII』本編へとつながる過去を描いたアクションRPGです。
『FFVII』を知っているプレイヤーにとってザックスがどのような人物だったのか、クラウドへ何を託したのかを真正面から描いた物語は非常に重要な意味を持ちます。
一方でゲームとして見ると独特なD.M.W(デジタル・マインド・ウェーブ)や大量のミッションなど評価の分かれやすい部分もあります。
手元にある通常版のパッケージ、説明書、UMDも見ながら2007年当時の位置付けや人気、売上、難易度、そして現在遊んだ場合に気になる部分まで振り返ってみましょう。
CRISIS CORE FINAL FANTASY VIIの基本情報と2007年当時の背景
基本データ
『FINAL FANTASY VII』発売10周年に登場した作品
本作が発売された2007年は『FINAL FANTASY VII』の発売からちょうど10周年にあたります。
当時は『FFVII』の世界を複数作品へ広げる「COMPILATION of FINAL FANTASY VII」が展開されており、本作もその一角を担うタイトルでした。
主人公はクラウドではなくソルジャー・クラス2ndのザックス・フェア。
物語は『FFVII』本編のおよそ7年前から始まり、ザックス、アンジール、ジェネシス、セフィロスらソルジャーを中心に進んでいきます。
そして物語が進むにつれ神羅兵時代のクラウドやエアリスも登場。『FFVII』を遊んだことがある人なら、その先に何が待っているのかを知った状態でザックスの人生を追うことになります。
「結末を知っているからこそ、先へ進むのがつらい」。
本作にはそんな前日譚ならではの魅力があります。
PSPを代表するヒット作のひとつ
『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』はPSP作品としても大きな注目を集めました。
発売日には新型PSP(PSP-2000)をベースとした限定本体同梱版「FFVII 10th Anniversary Limited」も77,777台限定で登場しています。
国内販売は最終的に約83万本規模、世界累計では約210万本に達したとされ、PSPのRPGを語るうえでも無視できないヒット作となりました。
2007年当時のPSPは勢いを増していた時期です。本作発売のわずか1週間後となる9月20日には薄型・軽量化されたPSP-2000が国内発売されており『CRISIS CORE』は新型PSPへの移行期を象徴するタイトルのひとつでもありました。
ザックスの物語とCRISIS COREならではのゲームシステム
『FFVII』では断片的だったザックスを主人公に
『FFVII』においてザックスは物語の根幹に関わる重要人物でありながら、その生涯のすべてが詳しく描かれていたわけではありません。
『CRISIS CORE』ではそのザックス自身を操作します。
英雄セフィロスへの憧れ、アンジールとの師弟関係、エアリスとの出会い、クラウドとの友情。
プレイヤーはザックスとともにこれらを経験し、やがて『FFVII』へ直接つながる出来事へ到達します。
特にクラウドとの関係は本作の大きな見どころです。
パッケージ裏面にも
「男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。」
というコピーが大きく記されています。
ゲームを最後まで遊んだ後では、この一文の受け取り方もかなり変わってくるでしょう。
アクションRPGとして再構築されたFFVIIの戦闘
本作はコマンド式RPGだった『FFVII』とは異なり、リアルタイム性の強いアクションRPGとなっています。
ザックスを直接動かしながら通常攻撃、魔法、アビリティ、アイテムなどを使って戦う方式で、敵の背後を取ることでダメージが増えるなどアクションらしい要素も盛り込まれました。
PSPの携帯機向け作品ということもあり、操作そのものは比較的シンプルです。
本編を進めるだけなら極端に高難度という作品ではなく、アクションRPGに慣れていないプレイヤーでも比較的遊びやすいバランスになっています。
ところが、やり込み用の高難度ミッションまで進めると話は別。
敵の攻撃力や耐久力が大幅に上昇し、装備やマテリアの組み合わせをかなり考えなければならない場面も出てきます。本編とやり込みでは難易度の印象が大きく変わるゲームです。
賛否が分かれるD.M.W
本作を語るうえで外せないのが「D.M.W(デジタル・マインド・ウェーブ)」です。
戦闘画面上部でスロットのようなリールが回転し、絵柄や数字の組み合わせによってリミット技、レベルアップ、各種特殊効果などが発生します。
かなり変わったシステムですね。
見た目だけなら運任せのスロットにも思えますが、ザックスの記憶や感情とゲームシステムを結び付けている点が特徴です。
物語が終盤へ向かうにつれて、このシステムそのものが演出として意味を持ち始めるのも面白いところ。
一方、プレイヤー自身が完全に制御できない仕組みであるため、純粋なアクションRPGとして考えると好みが分かれます。戦闘を繰り返しているうちに演出を長く感じることもあり、テンポの面では欠点になり得ます。
ミッションは豊富だが、繰り返し感も強い
本編とは別に大量のミッションが用意されているのも本作の特徴です。
短時間で終わるものが多く、携帯機で少しずつ遊ぶというPSPとの相性は良好。強力な装備やマテリアを集める楽しみもあります。
ただし、ミッション数の多さがそのまま内容の多彩さにつながっているわけではありません。
似た構造のマップや戦闘を何度も繰り返すため、すべて攻略しようとすると作業感が強くなります。
ストーリーだけを追うプレイヤーとミッションを徹底的に攻略するプレイヤーとでは本作への印象がかなり違ってくる部分でしょう。
CRISIS CORE FINAL FANTASY VIIのパッケージと付属品
パッケージ表面
表面を大きく飾るのはバスターソードを肩に担いだザックスです。
背景には神羅の巨大な施設がそびえ、全体を黒と緑を中心とした暗めの色調でまとめています。
『FINAL FANTASY VII』本編の白を基調としたパッケージとはかなり印象が異なります。
下部には「CRISIS CORE FINAL FANTASY VII」のタイトル。そしてCERO BとSQUARE ENIXの表記。
主人公がザックスであることを一目で伝える非常にストレートなパッケージデザインです。
パッケージ裏面
裏面はさらに印象的です。
上部には先ほど触れた「男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。」というコピーが配置されています。
その下にはゲーム画面が3点掲載されており『FFVII』の7年前から始まるストーリー、D.M.W、マテリアを使った戦闘という本作の特徴を紹介しています。
発売前にこの裏面を見ればザックスとクラウドの関係がどのように描かれるのか気になった人も多かったはずです。
パッケージ背表紙
背表紙は黒を基調としたシンプルなデザイン。
白文字で「CRISIS CORE FINAL FANTASY VII」と記され、下部には緑色のCERO B表示と型番「ULJM 05254」が確認できます。
PSPソフトを棚に並べた状態では、この黒と緑の組み合わせがなかなか目立ちます。
取扱説明書・表面
説明書の表紙にもザックスが大きく描かれています。
ゲームパッケージと共通するビジュアルを使用しており、背景の神羅施設と合わせて縦長の説明書をうまく使った構図です。
中央付近にタイトル、最下部にはSQUARE ENIX。
パッケージから説明書まで作品全体のビジュアルイメージがきれいに統一されています。
取扱説明書・裏面
説明書を裏返すとザックスではなく神羅施設が大きく見える構成になります。
表面と裏面を連続した一枚のビジュアルとして使っていることが分かりますね。
下部には問い合わせ先などの情報と型番「ULJM 05254/ULJM 05275」が記載されています。
単純に表と裏へ別々の絵を配置するのではなく、説明書全体でひとつの世界観を見せる作りになっているのが印象的です。
UMD
UMDは白を基調とした非常にすっきりしたデザインです。
中央の「UMD UNIVERSAL MEDIA DISC」を囲むように淡い線画でキャラクターが描かれ、下部に小さく作品タイトルとSQUARE ENIXの表記があります。
黒と緑を強く押し出したパッケージとは対照的。
UMDという小さなメディアの中でも情報を詰め込みすぎず『FINAL FANTASY』らしい余白を生かしたデザインになっています。
CRISIS CORE FINAL FANTASY VIIの評価|現在遊んでも面白い?
発売当時からストーリーや映像、音楽、PSPとして高水準だったグラフィックなどが評価され、販売面でも大きな成功を収めました。現在でも『FFVII』関連作品の中でザックスの物語を描いた重要作として位置付けられています。
特に終盤からエンディングにかけての演出は本作の大きな強みです。
ただし、欠点がないわけではありません。
D.M.Wのランダム性、ミッションの繰り返し、戦闘やマップ構造の単調さなど現在遊ぶとPSP時代のゲーム設計を強く感じる部分があります。やり込みを始めると同じような戦闘を繰り返す時間も長くなります。
そして本作は単独作品として遊ぶより『FINAL FANTASY VII』を知っているかどうかで評価が大きく変わるゲームでもあります。
『FFVII』で語られた出来事を補完する前日譚として見ると、その存在感はかなり大きい。
クラウドがなぜバスターソードを持っているのか。
ザックスという人物がクラウドに何を残したのか。
そして『FINAL FANTASY VII』の物語が始まる直前までに何があったのか。
それらを一本の物語としてつなげたことこそ『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』最大の価値でしょう。
ゲームシステムには2007年の携帯機作品らしい粗さが残っています。それでも、エンディングを迎えたあとに『FINAL FANTASY VII』をもう一度始めると、オープニングから見える景色が以前とは少し違ってくる。
『CRISIS CORE』は、そんな形で本編の意味まで変えてしまう前日譚です。