「本みりん」の原材料に表記されている”糖類”について気になった方は多いのではないでしょうか?
この”糖類”とは一体何を指しているのでしょうか?
また、原材料のラベルを見比べていると”糖類”の表記が無い商品も存在しています。これらには糖類は含まれていないのでしょうか?
この記事ではこれら2つの疑問について詳しく解説していきます。
- 本みりんの糖類が何を指しているのか
- 糖類の種類や特徴について
- 糖類の表記に関するルール
- 表記の有無による品質の違い
本みりんの原材料の「糖類」とは具体的に何を指す?
「本みりん」に含まれる糖類とは、主に以下のような種類の糖を指しています。
- 1. ブドウ糖(グルコース)
- 2. 麦芽糖(マルトース)
- 3. オリゴ糖
- 4. その他の多糖類(デキストリンなど)
- 砂糖など人工的に添加した糖ではない
1. ブドウ糖(グルコース)
- 原料のもち米や米麹から生成される。
- 酵素の働きでデンプンが糖化されてできる単糖。
2. 麦芽糖(マルトース)
- デンプンが分解される過程で生成される二糖類。
- 甘さは控えめで、料理にまろやかな甘みを与える。
3. オリゴ糖
- 原料の糖化の過程で生成される少糖類。
- 甘みは弱めだが、腸内の善玉菌を増やす効果がある。
4. その他の多糖類(デキストリンなど)
- 完全に分解されないデンプンの一部。
- 粘り気を出し、風味に深みを与える。
砂糖など人工的に添加した糖ではない
これらの糖類は、みりんの製造過程で米や米麹のデンプンが糖化されることで自然に生まれるものです。
市販の「本みりん」では、化学的な甘味料や人工的に添加した糖類は使われず、すべて原料由来の天然な糖が含まれています。
これにより、「本みりん」はただ甘いだけでなく、コクや深みのある自然な甘みが特徴です。
また、アルコールも含まれているため、甘みがベタつかず料理に上品な仕上がりをもたらします。
表記が無い本みりんには糖類は含まれていないのか?
「本みりん」の原材料表示に「糖類」が”あるもの”と”ないもの”の違いは、主に原材料の記載方法の違いや製造方法の特徴によるものです。
以下でその違いを詳しく説明します。
- 1. 「糖類」と表示される場合の理由
- 2. 「糖類」の表記がない場合の理由
- 品質に違いは無い
1. 「糖類」と表示される場合の理由
「糖類」と記載されている場合、これは製造工程で生成されるブドウ糖、麦芽糖などの糖類をまとめて表記しているケースです。
食品表示のルール上、一定の基準に基づいて糖類をまとめて「糖類」と表すことが許可されています。
主な特徴
- 原料に由来する糖類が多く含まれており甘みが強調されている。
- 市販の料理用「本みりん」では比較的多い表記形式です。
2. 「糖類」の表記がない場合の理由
「糖類」の表記がない場合も、みりんには原料由来の糖類が自然に含まれているため、糖が含まれていないわけではありません。
この場合、以下のような理由が考えられます。
(1) シンプルな原材料表示
「米、米麹、焼酎(または醸造アルコール)」などを使ったシンプルな記載にすることで、余計な表記を省いているケースです。
この場合、糖類はあえて「米」「米麹」などの原料に含まれる成分として解釈されます。
(2) 伝統的な製法を強調した商品
伝統的な製法で作られた高品質な本みりんでは、原材料のシンプルさを重視するため「糖類」とは書かず、あくまで「米」「米麹」「焼酎」などのみを記載します。
(3) 食品表示基準の違い
みりんは発酵調味料のため、添加物などで人工的に糖を加えたわけではなく、自然発酵による糖が生成されています。
品質に違いは無い
「糖類」の表記がない「本みりん」も原料の米や米麹からの糖が自然に含まれているため、品質に違いがあるわけではありません。
ただし、以下のような違いがあります。
- 「糖類」と書かれる場合:甘みを重視した市販の料理用本みりんで、消費者にわかりやすく甘さの成分を伝える目的がある。
- 「糖類」と書かれない場合:伝統的な製法やシンプルな表示を意識した高級志向の商品が多く、品質を示すために余計な情報を削っている。
どちらも糖類は含まれており、主な違いは表記のポリシーに過ぎないため味や用途には大きな差はありません。
まとめ:本みりんの糖類は天然由来で表記が無くても含まれている
記事のポイントをまとめます。
- 本みりんの糖類は天然由来のブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、多糖類を指す
- 糖類は米や米麹のデンプンが糖化する過程で生成される
- 市販の本みりんには人工甘味料や添加された糖類は使われない
- アルコールが含まれるため甘みがベタつかず上品な仕上がりになる
- 「糖類」との表記は食品表示のルールに基づく
- 表記がなくても原料由来の糖類は自然に含まれている
- シンプルな表示は伝統製法を重視する場合に使われる
- 表記の有無で品質に違いはない
- 甘みの強調か製法のシンプルさを伝えるかが違いとなる